<コラム> 暑い街、都会の夏(前編) <コラム> 暑い街、都会の夏(前編) <コラム> 暑い街、都会の夏(前編)

夏が私たちをとりまいています。太陽は輝き、空は青く、街は自然と生命に満ち溢れています。夏の香りを選ぶのは一苦労ですが、ミラー ハリスの香水には、あなたが都会のワイルドな面を発見するヒントがたくさんあります。ミラー ハリスのフレグランスエキスパート、ニック ギルバートが、お気に入りの夏の香りを教えてくれました。


リージェントの薔薇

夏の間、ロンドンで最も香りの良いスポットのひとつは、リージェントパークのローズ・ガーデンです。野外劇場(現在でもロンドンの穴場のひとつで、ばかばかしいほどの緑色の演出による『リトルショップ・オブ・ホラーズ』は見事でした)を散策すると、クイーン・メアリーズ・ガーデンを通ります。そこでは種類も様々な何千本もの美しい薔薇の香りが出迎えてくれます。「ローズ サイレンス オーデパルファム」のゴージャスでフレッシュな香りほどその様を捉えたフレグランスはありません。繊細なピンクの花に、控えめなマンダリンとカシスの甘さ、わずかなムスクとサンダルウッドによる滑らかさを加えたをローズ サイレンスは、夏の太陽の暖かさの中で、涼しげでさわやかな明るさを持ち続けます。


気ままなフォーリッジ

数ヶ月前、私は幸運にもミラー ハリスのチームとForage London の John Rensten(『The Edible City』の著者)と一緒に採集(フォーリッジ)の旅に出ることができました。私はいつも立ち止まって花の匂いを嗅ぐのが好きなのですが、ほかの植物に目を向けたことはありませんでした。今では新しい植物を発見するたびに、香りを嗅ぐようになりました。手のひらで葉をつぶし、鼻の先にある植物の独特の香りに注意を払いながら。そして私が再会した、前からずっと好きだった香りは、ネトルズ(イラクサ)のものでした。この香りは、森の中を走り回った気楽な夏休みを思い出させてくれます...センチメンタルでグリーン、明るくてシャープな「ワンダー オーデパルファム (スルーザパーク)」は紛れもなく、身にまとえるように作られたイラクサの香水です。


夏の風

夏は私が好きな花が咲き乱れる季節で、嗅覚が刺激を受ける楽しい時です。瞬時に子供時代に運んでくれて、絶妙な香りだと感じるのはハニーサックルです。子供の頃、花の下に溜まる甘い蜜を求めてハニーサックルを摘んでは、すぐにベビーシッターに叱られたものです。調香師がそのゴージャスな花蜜と豊かなフローラルの香りを捉えたのが「ヒドゥン オーデパルファム(オンザルーフトップ)」です。プリヴィットウの生け垣のあいだに咲くハニーサックル、空中の蜂と花粉。それは庭で過ごした、夏の霞みがかった夕暮れです。